平成15年6月定例会(平成15年7月1日)

たかはし雅成質問:

皆さん、おはようございます。公明党の高橋雅成でございます。初めて一般質問させていただきます。知事初め県御当局の皆様の明快かつ誠実な御答弁をよろしくお願いいたします。

初めに、地域通貨について質問いたします。

忙しい人のかわりに買い物をします、お年寄りの話し相手をしますなど、市場経済では値段のつけにくい物やサービスを交換し、住民の交流やボランティア活動を活発化させるシステムとして地域通貨が注目を集めております。世界の先進諸国で自然発生的に広がっており、日本でも各地に六百ほどの地域通貨が生まれているという情報があります。有名なものでは、滋賀県草津市を中心に発行されている「おうみ」、山梨県北巨摩郡の「八ヶ岳大福帳」、千葉県の「ピーナッツ」などがあります。ほとんどの場合、NPO法人など民間が主催しておりますが、中には北海道栗山町の「クリン」や神奈川県大和市の「LOVES」のように、自治体が主導している例もあるようです。地域通貨が流通する地域の規模は全国規模のものから町内会規模のものまでさまざま、利用している人数も数十万人から数十人までと多彩です。九州にも大分県湯布院町の「YUFU」などが有名ですし、県内では博多区の「よかよか」、大牟田市の「コール」がともに一昨年誕生しております。この地域通貨導入の目的は大きく分けて二つあり、経済的効果を期待するものとコミュニティーの活性化を期待するものです。発行される通貨は、利子がつかず、ためても意味がないためにどんどん使っていこうということになり、地域の中で活発に交換されて動いていくことになります。仕組みはさまざまですが、まず運営団体に自分ができることと、してほしいことを登録します。運営団体は、登録者全員のできることとしてほしいことの一覧をインターネットなどで閲覧できるようにし、参加者同士が交渉し、できることとしてほしいことが一致すれば地域通貨を使えるようになります。例を挙げて説明しますと、例えば麻生さんが稗田さんに弁当をつくってもらい、その見返りに得た地域通貨で稗田さんが武田さんに犬の散歩を頼んだとします。武田さんは、手にした地域通貨で中島さんに魚のおろし方を教わり、さらに中島さんが麻生さんにパソコンの使い方を教えてもらえば地域通貨はもとの麻生さんのもとに戻ってくるといったような仕組みです。名前に特に意味はありません。地域通貨流通の輪が広がれば広がるほど支え合い、助け合いの人間関係が濃くなり、眠っていた特技や経験が呼び覚まされることになります。ある新聞は、地域通貨のことを、あらゆる人に備わっている特技、経験、思いやり、体力など、地域に眠っている宝を引き出すもの、それが地域通貨だと紹介しておりました。先ほど例に挙げました「おうみ」には、「これはお金ではありません。コミュニティーで循環することによって、環境、伝統、文化、ボランタリー活動など、社会的に必要とされながら、市場では成り立ちにくい価値を支えている道具、ツールです。あなたのありがとうの気持ちを形にしてみてください。」と書かれております。地域住民の助け合いを引き出し、温かく住みよい社会をつくり出すとともに、地域の産業や商店の保護、発展にもつながる地域通貨に大きな注目が集まっているのも当然であります。福岡県内の地域通貨にもぜひ成功していただき、さらに新たな地域通貨があらわれることを期待するものであります。

そこで、まず地域通貨に対する知事の認識をお尋ねいたします。全国の自治体の中で、地域通貨をサポートしている都道府県は、静岡県、愛媛県、千葉県など少数と聞きます。静岡県では、地域コミュニティーやボランティア活動の活性化を図る契機として地域通貨を導入することを計画し、平成十二年度、十三年度にパイロット事業として六地区の団体を指定し、ノウハウの指導、助言を与え、地域通貨を導入しております。このほか、同県は講師の派遣料や講演会、研究会などの場所の利用料を負担し、研究会に直接職員を派遣し、調査研究を重ねた成果を地域通貨に役立てる報告書として取りまとめているほか、県の一般職員を対象に「ぱれっつ」という地域通貨を流通させる実験も行っております。先日、博多区の地域通貨「よかよか」を発行している奈良屋まちづくり協議会に聞いてみましたところ、地域通貨を運営していく上で現在一番困っているのは、事務局に常駐できる人材がいないこと、できること、やってもらいたいことをコーディネートできる人がいないことと言っておりました。そして、行政に手助けしてもらいたいことも、こうした人的な応援だということでした。福岡県においても、本年度当初予算に新しく地域通貨の導入促進のための予算が計上され、事業の内容として研究会の設置、九州メッセの開催の二つが上げられておりますが、今後静岡県のように突っ込んだ支援策をとる用意があるのか、また人材の派遣あるいは人件費のサポートをやる意思があるのかお尋ねします。

次に、中小企業の経営革新支援策について質問します。一九八〇年代、品質の低下と生産性に対する国際競争力の低下から、滅びゆかんとしていたアメリカ経済界にあって、レーガン大統領はマサチューセッツ工科大学など三十八人の有力者から成る大統領産業競争力委員会を設置しました。日本との徹底比較を通して米国産業の病根を調査研究し、アメリカは新しい経営システムの変換にチャレンジすることを国家戦略としました。その後、奇跡の復活と呼ばれた米国産業の変換をもたらした施策は、一、規制緩和、二、減税、三、金融安定化策、四、企業の経営革新の四つと言われております。このうち、四番目の経営革新の中身に、全米の中からすぐれた企業を厳正に選考し、メーカー、サービス関連、中小企業の三部門に分けて大統領みずからが表彰する国家制度があります。時の商務長官の名前を冠したマルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)と呼ばれるものです。その後、このMB賞を受賞した企業を中心にアメリカは自信を取り戻し、奇跡の復活をなし遂げたのでした。今日、長期化する経済の低迷の中、日本でも政府が規制緩和、減税、金融安定化策など講じておりますが、残念ながら企業経営者のマインドを刺激し、自信を取り戻させる経営革新賞のようなものは実施されておりません。本県においても、不況の波をダイレクトにこうむる中小企業に対し、さまざまな支援策が打たれておりますが、経営者をもっと前向きに元気にさせる制度も必要かと思います。

そこで提案ですが、県内の中小企業を対象にし、経営革新などの中身を評価、顕彰する福岡県知事賞を設置し、中小企業経営者に、やればできるという前向きな姿勢を積極的に引き出す施策を展開してはどうでしょうか。提案をいたしますので、今後十分検討をしていただくよう要望いたします。

最後に、私立高等学校の授業料軽減補助制度について質問します。現在、福岡県は県内の私立高校に在籍する生徒の世帯が生活困窮と認められ、私立高校を設立する学校法人がその授業料の一部を軽減する場合、一定の額を学校に補助する私立高校授業料軽減補助金制度を設けております。補助額は、交通遺児等の場合が授業料の二分の一、生活保護世帯等の場合が、県立高校の授業料相当額となっております。補助金は、学校を通じて各家庭が支払う授業料の減額につながっており、母子家庭などの生活困窮世帯にとって、大変ありがたい制度となっております。ところが、現行の制度では各家庭が三月、四月に軽減補助を申し込んでも、審査や対象生徒の確定、県の決定などに時間がかかり、学校によって若干の違いはあるようですが、四月から十一月までの八カ月間は各家庭が通常の授業料を支払っております。十二月になって初めて、八カ月分の補助金を受け取り、毎月支払う授業料が制度のとおり軽減されるのは十二月から三月までの四カ月だけとなっております。そして、次の学年に進んでも同じことが繰り返されております。もともと、毎月の家計が苦しいからこその制度のはずです。同じように、交通遺児や生活保護世帯を対象に行われている県立高校の授業料減免制度では、申し込みから一、二カ月後には減免ができるとのことです。同じような制度であるにもかかわらず、なぜ私立高校の軽減補助の場合はこれほど期間が必要なのか素朴な疑問を感じざるを得ません。

そこでお尋ねします。私立高校の授業料軽減補助制度において、補助金が学校におりるまでこれほどの期間が必要なのはなぜですか。各家庭の月々の負担を考え、軽減補助金をもっと早期に交付する努力が必要と考えます。知事のお考えをお示しください。

以上で第一回目の質問を終わります。ありがとうございました。

麻生知事答弁:

地域通貨についてであります。地域通貨をどういうふうに認識しておるのかということでございますけれども、これは一言で言いますと、我々が普通使っておりますお金を仲介としてはなかなかできない、あるいはそれを使うことによってはかえってうまく交換ができないような地域の中におきます助け合いとか善意の交換、これを円滑にスムーズにやっていくというためのものであるというふうに考えております。経済的な効果をこれで期待するということは余り大きくならないんではないかと思っております。これが普及をいたしますと、ボランティア活動とかNPO活動が盛んになります。逆に、このような活動が盛んになることによって地域通貨も普及していくという相互関係になるというふうに思っております。その意味で、それぞれの地域コミュニティーの活性化ということに対しましての手段として有効な手段であるというふうに考えております。したがいまして、この導入、普及ということにつきましては、積極的に取り組んでいきたいと考えております。このような意識のもとに、本年度は地域通貨九州メッセを開催をいたします。地域通貨につきましては、県内でも大牟田の「コール」とか博多の「よかよか」、それから古賀の「ゆい」とかいう事例があるわけでございますが、九州全体でも相当いい活動をしているものがございますから、広く九州全体のいろんな経験を集大成して交換しようということで、九州という形でやってまいります。また、そういうようなことの研究をもとに具体的に地域通貨を導入をします場合に、どういうやり方なりどういう点を注意するなり、どういう効果が期待できるのかというようなことにつきましてマニュアルを作成して普及をしていきたいと思います。このような地域通貨の導入に対します支援策については、今後の研究によりましてより効果的な支援策を検討してまいるわけでございますが、その場合に非常に重要なことは、その中心となりますボランティアとかNPOの皆さんの創造性とかあるいは自主性ということを十分尊重しながらやっていくということが大事であるというふうに思っております。

宮崎 私学学事振興局長答弁:

私学学事振興局長(宮崎 宏君)登壇 私立学校の授業料軽減補助金の交付決定についてでございます。授業料軽減補助につきましては、各学校における審査に際して、必要な所得証明書などの発行される時期や学校からの補助金申請に係る県の審査のため、交付決定までに一定の時間を要しているところであります。今後は、各学校と連携をいたしまして、可能な限りの事務の改善を図るなどして早期の交付が行われるように努めてまいりたいと考えております。

たかはし雅成質問:

御答弁ありがとうございました。

私立高校の授業料軽減補助制度ですけれども、先日この制度を利用しているある御家庭をお尋ねしました。生活保護を受けている母子家庭の方で、ことしの春双子の娘さんお二人が私立高校に入学しました。入学金、制服代、教科書代など入学には二人合わせて百万円以上がかかったそうです。毎月の授業料は、旅行積立金なども合わせて二人で約九万五千円も払っております。奨学金なども得て何とか支払っているそうです。ただ、母親は教育費のために毎月の家賃や電気代、電話代などを滞納ぎみだというふうに話しておりました。この方は、二人の娘さんに高校を断念してもらおうと何度も思ったそうです。しかし、そのたびに、義務教育を終えて初めて人生のスタートラインに着く子供に、本人が望まないスタートラインには着かせたくない、本人が望む高校にだけは、何があっても行かせてあげたい、そう思い歯を食いしばりながら今二人の子供を私立高校に行かせております。また、このお母さんは、こう訴えておりました。私は何があっても子供を学校に行かせます、だけど私のような境遇で子供を高校に行かせることができずに、子供も寂しい思いをし、親もいたたまれない気持ちで毎日を過ごしている親子が必ずいるはずです。こんな方を出さないためにも、ぜひ私立高校の授業料軽減補助制度の見直しをお願いしたいのです、こうおっしゃっておりました。どうか、こうした少ない方たち、また小さな声にこそ耳を傾けて、本当に困っている人たちに喜んでもらえる制度にしていただきたい。ただいま私学学事振興局長から、可能な限り早期の交付ができるよう努めるとの答弁をいただきましたけれども、制度の抜本的な運用の改正も含め、早急に改善することがぜひ必要と考えます。麻生知事の考えをぜひお聞かせください。

関連しまして、そのほかの部局の中で、この制度と同じように補助金を受けるべき人や法人が長期間個人負担した上で、その後に補助金が交付されるような制度があるか事前に調べてもらいましたところ、ないとのことでした。今後もしこのような制度が明らかになった場合は、県民の負担を少しでも減らすために早急に見直してもらいたいことを要望します。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。

麻生知事答弁:

私立学校の授業料の軽減補助、これを各私立学校がもらいますためには、当然一定の交付手続が必要であります。今、一連の交付手続をやって、交付を決定し、補助金を出しているわけでありますけれども、この期間が長いということであります。できるだけ早く高校の方に交付をするということが当然望ましいわけでございます。そのためには、いろんな工夫をしなければいけませんけれども、局長が答弁いたしましたように、可能な限りの事務の改善を図りまして、早く交付ができるように努めてまいりたいと考えております。