長時間、大変お疲れのところ、もうしばらくお付き合い願いたいと思います。新型肺炎のSARSについて質問をいたします。一昨日、WHOが制圧を宣言しましたけれども、このWHOによりますと、四日までに全世界で死者が八百十二人、感染者は八千四百三十九人と、昨年十一月に中国・広東省から始まったSARSは、まさに猛威をふるった観があります。日本では幸い、感染者は出ませんでしたけれども、幸運だっただけという専門家の指摘もあるほか、秋以降の再流行が心配されております。その際、特に心配なのがSARSの症状が高熱や咳など、インフルエンザと大変似ており、インフルエンザとSARSの流行が重なった場合、医療現場に混乱が生じないような対策が必要と考えております。今後のSARS対策について、お伺いいたします。
初めにSARSの再流行に備えた医療体制の確保について、県はどのように取り組んでいくか、お示しください。
SARSの再流行に備えて医療体制の確保について県がどのように取り組んでいくつもりかということでございますけれども、まず、本県におきましてはSARSの疑い例、可能性例については現在、県下四箇所の感染症指定医療機関において受け入れ、SARSが疑われる場合の初期の診療については、二次医療圏ごとに協力医療機関を授け、診察に当たることとしてきました。SARS患者の初期症状はインフルエンザと似ていることから、秋以降に再流行すると、これはなかなか診断ができにくく、医療現場に非常に混乱をきたす懸念があるといわれております。したがいましてSARSの診断、これを早期に確立できる方法は今のところ、ありませんので、この開発をまず国の方に求めていきたいと思っております。
それから今、指定医療機関等を整備しておりますけれども、今後につきましては、また指定医療機関等との連携を図り、初期診療及び入院医療体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
現在、保健福祉環境事務所の二十四時間相談窓口というのが開かれておりますけれども、これはだれが対応しているんでしょうか。SARSの知識がある方が対応していらっしゃるんでしょうか。
二十四時間対応、昼間に関しましては保健福祉環境事務所には医師、それから保健師等がおりまして、そういう人たちが対応しております。夜間につきましては、これは呼び出しが直接、いわゆる医師、保健師のところに行きまして、そちらの方から回答するといったことになって、専門的知識を持った人間が、現在においては、対応をいたしておるところでございます。
それと、感染症危機対策本部というのが必要に応じて設置するというふうになっておりますけれども、この「必要に応じて」というのは、どのような場合に設置するんでしょうか。
例えば赤痢であるとか、そういったものが集団感染みたいなもの、あるいはO一五七等が保育所等で集団に起こった場合とか、こういった場合に設置される。今回、SARSにつきましては患者として報告されます可能性例が発生した場合には、速やかに対策本部を設置しまして、この際に副知事をトップという形で対策本部、それからいろんな対応に当たっていきたいと考えております。
ある大学病院のお医者さんから、私どもの部屋に手紙が来ております。「SARS疑い可能性例の対応について」ということで、「正直言って、国、県の対応はペーパーの上だけの、実態を把握していない行動計画と思います」というふうな出だしでございます。「一例でもSARS患者が認定された場合を考えると、世間のパニックは必至だ」と。
以下ちょっと抜き書きしながら読みますと、「SARSを心配して病院を直接受診する人、それらの人が病院に行くのを心配して、病院に来ない人など、県指定病院での混乱は明らかです。SARS疑いの患者さん一人が受診するだけでも、現場は混乱気味になります。これが一日十人、二十人と増加することを考えると、ゾッとします。どの病院でもスタッフ不足であり、SARS可能性患者と接触した医療スタッフを一週間程度、自宅で経過観察するなどの行動計画どおりに実行することは不可能です。一例でもSARS患者が入院した場合を想定してみてください。入院病棟全体を隔離しなければ、他の患者さまや医療スタッフは納得しないと思われます。そうなると世間の風評がどうなるか、明白です。その病院の外来者数は激減すると予想されます。それを行政が補助してもらえますか。私たちは使命感で精いっぱい頑張っています。しかしそれも今の現状・・」、今の、というのは、SARS終息傾向ということです。「今の現状だからできるのであって、もし、状況が少しでも悪化すれば、対応できなくなるのは必至です。インフルエンザの流行期の冬になって、今春のような騒ぎが再燃したらと考えると、悲惨な結果しか頭に浮かびません。開業医もSARS疑い例を診察するような行動計画が出ていますが、実際は全く不可能です。SARS疑いを診察した開業医に何の抵抗もなく先生は・・」、先生は、というのは私どもですけれども、「受診できますか。開業医も商売です。このことを考えると開業医の先生が消極的なのは理解できます。しかし指定病院だけですべて対処するのも不可能です。もし、インフルエンザ流行期にSARS騒動が再燃したら、現在の体制は絶対、破綻します。今冬にSARS騒動が再燃しないことを願うばかりです。最悪なシナリオを考えて体制づくりをやっておくべきです」というような手紙でございます。
行政の取り組みはよくわかるんですけれども、目の前に一人のSARSの患者が発生したということを、本当にそのことを考えて体制がつくられているのか。何か、どこか、対岸の火事的な考え方がどこかに、根底にないかどうかということを、今の手紙から私も考えざるを得ないんですけれども。細かいことは言いませんけれども、今の対策でよしとせず、さらに充実した完璧な対策を立てるようにしてほしいと思います。
それで三つだけ、お伺いしたいんですけれども。一つは未知の感染症患者、SARSみたいな、ですね、そういった患者と現場で現実に対峙した経験がある医師が今の指定医療機関、協力医療機関にいらっしゃるかどうか。これが一点です。
二点目に、中国とかで、あるいは香港とかでSARS医療に携わった医師、日本人でもいいし、現地の医師でも結構ですけれども、こういった現場で実際に患者と携わったお医者さんと意見交換をすべきだと思います。これについてどうか。対策を立てる上での意見交換が必要と思います。
三番目に、WHOの国際的感染症対策ネットワーク、通称ゴーンといわれているみたいですけれども、こちらとの連携が県の方で図られているかどうか。その三点について教えてください。お願いします。
最初の、未知の感染症を診たことがある医師が感染症指定医療機関にいるか、ということですけれども、これに関しましては私ども、完全には把握しておりませんけれども、やっぱり未知の感染症に関しましては、今のところ、ほとんどいないんではないかなと思っております。
それから二番目の、いわゆるSARSが実際起こっている国を見てきた医師といいますか、そういった医師との意見交換が今後、対策に必要ということでございますけれども、これにつきましては五月九日に国の方で、まず、そういった医師によりまして感染症指定医療機関の医師を集めまして、SARSについての実際上、外国でどのようなことが行われているかとか、あるいは院内感染防止対策ということが、まず、行われました。続きまして六月三十日になりますけれども、これは九州ブロックにおきまして、それぞれの保健福祉環境事務所であるとか、それぞれの病院の医師を集めましてSARSについての、実際にそういった地域に行ってこられた医師によりまして講演であるとか、実際、服の着脱とか、そういったことを各病院の医師等を集めまして、研修会を行っております。さらに、これは七月二十四日になりますけれども、これも国の方から、いわゆるそういった感染症対策を行う医師向けの院内感染対策の研修会といったものも、また企画されているようでございます。
私どもとしましても実際、未知なるものというのは、体験した人間でなければ、わからない面が非常に多いと思いますので、そういった人たちの意見を参考にしながら、参考というか、意見交換をしっかりしながら、今後の対策を本当に真剣に進めていきたいと考えております。
それから三番目の、いわゆるWHOとの関係ということでございますけれども、今、WHOといいますのは、このSARSに関しましては、どこの国においても、やはり情報不足であると思われます。したがってWHOのネットワークというのはSARSが起こっている国、起こっていない国、そういったところからの情報を全部集めておりますので、今、世界で一番信頼できる情報ソースだと考えております。私どもは幸いなことに、WHOはホームページを掲載しておりまして、これを毎日、休みの日を除きますけれども、更新されております。私どもの仕事としましては、朝、来ますと、まず、そういったWHOのホームページを見ます。そうすることによって世界の動き、あるいは今、行われているSARSに関する最新の情報といったものが手に入りますので、そういったこと。それからまた国とも情報交換といいますか、情報提供を受けながら、SARS対策をやってまいりたいと考えております。
ありがとうございます。もう一つ、手紙があります。人工透析を受けている患者さんからのものです。人工透析施設内で発病者、疑いの例を含め、が出た場合、保健所の方針どおり、接触した透析施設の医療スタッフや周囲の皆さんを自宅待機させることは、不可能です。それは透析を中断できないからです。要するに「死ね」と言っているのと一緒になるわけですね、透析患者さんにとって。また透析患者さんが実際にSARSになった場合、十日間、待機させると、透析を受けられないということになりますけれども、こういった場合、どうするか。対策を何か考えていらっしゃいますでしょうか。
人工透析を受けている方、そういったところでSARS患者が発生した場合ということで、これは大変難しい問題でございまして、発生した患者というのは感染症指定医療機関に入院していただいて、なかなか難しいとは思うんですけれども、何とか対応していただくという方法がとれるかなと考えておりますが、いわゆる接触した方々をどのようにしていくかというのは、はっきり言いまして、何といいますか、どちらが重要か。要するに疑いがある人だけれども、透析が必要だといった場合は、どちらが優先されるかと申しますと、透析は直ぐ命に係わりますので、まず、そちらが優先されるべきではないかなと考えております。したがいまして、現実的には閉鎖ということではなくて、様子を見ながらやっていく。そして、もし、SARSの疑いがある場合には感染症指定医療機関の方に入院していただくといったことが現実的な対応ではないかなと、現在のところは考えております。
今、初めて私も言ったんですけれども、こういうことが最悪のシナリオの一つだと思うんですね。こういったことをしっかりと、いろんな問題を想定しながら、さらに今ある対策を充実させてほしいということが私の質問の趣旨です。
一応、SARSの終息ですけれども、一説に北半球の気温が上がったためだという指摘があるみたいなんですけれども、今後、南半球の方で流行するような心配はありますでしょうか。
もちろんWHOの専門家の中にもそういった意見をお持ちの方もおりまして、ただ、先のことは実際わからないということが事実だと思います。ただ、今、必要なことは、そういったこともあるかも知れないということで、いわゆるSARSが終息したということで警戒体制を解いてはいけないということでありますので、私ども、もちろん解くつもりはありませんし、そういった情報についてはいち早く耳を傾けて、またそういったものがありましたら、情報を収集し、また対応策を考えていきたいと思っております。
一応、終息宣言が出ましたので、住民の予防意識が低下するということが心配されるわけですけれども、県民への広報、啓発に今後どう取り組んでいくか、お伺いします。
何度も申しますように、WHOが指摘しておりますように、引き続きSARSに対する警戒がWHOは必要といった意見を持っております。私ども、そのとおりでありまして、今後もいわゆる保健環境事務所におきまして、まず、いつでも相談というものが、二十四時間ですけれども、受けられますよ、ということの、まず周知ですね、そういったことの周知。それから、もちろん当然なことながら、周知した以上は二十四時間で相談を受けてまいります。それから次にWHOであるとか国からの情報につきましては、これは県のホームページ、それから県の保健福祉環境事務所、市町村を通しまして迅速に情報提供を行っていきたいと考えております。
現体制を維持して、警戒していくことは、よく理解できます。ただ、問題は人間だと思うんですね。体制は油断しませんので。人間が油断しますので、SARSに携わっている、危機管理に携わっている職員、また医師らが油断しないように頑張ってほしいというふうに思います。
最後に。福岡県はアジアの玄関口を目指しているわけですけれども、ヒト、モノ、カネ、情報、そういった交流が殺到するわけですけれども、殺到するものの中の一つにこうしたSARSのような危険も逆に同時に背負うことになると思うんですね。SARSに限らず、こうした危機管理にどう対応するか。そういった問題について何か考えがあれば、お聞かせください。
今回のSARSの問題につきましては、われわれもそうなんですけれども、国の方も初めての体験でございまして、実際、幸いなことに、いわゆる患者は発生はなかったんですけれども、われわれもいろんな教訓を得ました。したがって、そういったことをこれから少し冷静に分析しながら、また次の対応をしていこうかなと思っております。
それからもう一つ。アジアの玄関口ということでありますので、私どもも、まずやっぱり患者が入ってくるということに一番警戒をしておりまして、とにかく検疫所とは非常に連絡を取り合いながら、そして連携しながらやってきたつもりでございます。今後につきましても検疫所と密に連絡を取り合いながら、また必要であれば対策の強化を図っていきたいと考えております。
終息宣言が出て、一応の安全が確認されている今の状況だからこそ、しっかりとした対応、対策をぜひ完璧なものをつくっていただきたいと要望して、質問を終わります。ありがとうございました。