平成17年2月定例会(平成17年3月10日 本会議)

たかはし雅成質問:

皆さん、こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従いまして、交通のバリアフリー化を中心に、福祉のまちづくりについて質問いたします。

高齢者や障害者など、社会で生活していく上で何らかの配慮を必要とする立場の人が一般の人と変わらずに生活できるよう、公共交通機関や施設、道路などのバリアを除去することが、福祉のノーマライゼーションの立場から強く求められております。このため平成十二年十一月にいわゆる交通バリアフリー法が施行され、平成十五年四月には改正ハートビル法が施行されました。また、県におきましては、「すべての県民が社会、文化、経済その他の分野の活動に自らの意思で参加できる社会を形成する」ことを目的にした福岡県福祉のまちづくり条例を、いち早く平成十年四月に施行しております。同条例は「県の役割」として、「福祉のまちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を定め……実施する」、「自ら設置し……管理する施設等について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう、その整備に努める」と定めるとともに、福祉のまちづくりを進めるため、啓発活動の推進、調査、研究、推進体制の整備、財政上の措置などを講じるよう規定しております。交通バリアフリー法が施行される二年以上も前に、県がこうした先駆的な条例を施行されたことに、まず敬意を表したいと思います。また、最近の動向として、国土交通省は、旧運輸省所管の交通バリアフリー法と旧建設省所管のハートビル法を統合、再構築し、どこでも、だれもが連続的に移動可能なまちづくりを一体的に整備する方向で検討を始めたとの情報もあります。そこで、これら二つの法律と県条例で、福岡県の町はどれくらい高齢者や障害者などに優しく変わったのでしょうか。まず、その成果をお示しいただきたいと思います。

また、平成十七年度予算に、土木部の人にやさしい歩行空間整備事業費三十三億一千万円余が見えておりますが、そのほかに、交通バリア、町のバリア排除へどのような施策が組まれているのか明らかにしていただきたい。

次に、乗り合いバスのバリアフリー化について質問します。乗り合いバスのバリアフリー化の方法としては、ステップを低くする低床バスと昇降口に車いす用のスロープをつけるスロープつきバス、リフトをつけて車いすを乗降させるリフトつきバス、昇降口のステップをなくし超低床にするノンステップバスなどがあります。ドイツなどヨーロッパのバリアフリー先進国では、リフトつきのノンステップバスがごく普通に走っているようですが、日本においては、まだまだこれからという状況です。中でも福岡県におきましては、バスのバリアフリー化は非常におくれていると言わざるを得ません。

交通バリアフリー法第三条に基づき、国は基本方針を定めておりますが、このうち乗り合いバスに関する事項としては、一つ目に、バス車両に関し、十年から十五年で低床化された車両に代替する。ここで言う低床化されたバスというのはノンステップバスとワンステップバスのことです。二つ目に、平成二十二年までに、バス総車両数の二〇%から二五%をノンステップバスとするという方針になっております。平成二十二年と言えば、あとわずか五年後です。ところが、これは平成十六年三月末の数字ですが、福岡県のノンステップバスの普及率はわずか〇・三%です。総車両数三千三百四十四台に対して、たった十台という現状です。全国の状況はどうか、運輸局別に見ますと、一番普及率が高いのが関東運輸局で、車両総数一万七千五百七十六台中の三千八十七台で普及率一七・六%です。次が中部運輸局で一一・八%、三位が近畿運輸局で一一・〇%となっております。九州運輸局は全国ワーストスリーで、わずか一・五%という状況です。九州の中では、公営バスを持っております熊本、鹿児島、長崎などが普及率が高いため、この全国ワーストスリーの足を引っ張っているのは、残念ながら我が福岡県であると言っても過言ではないと思います。

一方、交通バリアフリー法第四条には、公共交通事業者は車両を新たに事業の用に供するときは、車両を移動円滑化基準に適合させなければならないとされ、事業者が講ずるべき措置が定められております。この基準のうち、乗り合いバスに関する事項としては、一、バスの床の高さを六十五センチ以下の低床バスとしスロープ等で車いすでの乗降を容易にすること、二、車いすスペースの設置とそこまでの通路を確保すること、三、車外用放送装置を設置することなどでございます。つまり、交通バリアフリー法では、国の基本方針としてノンステップバスの普及を目的に置いているにもかかわらず、交通事業者に対する移動円滑化基準にはノンステップバスに関する記述が全くないわけで、法律としても矛盾を感じる内容となっております。しかしながら、公共交通事業者が導入すべきバリアフリー適合の低床バスにしても、福岡県の普及率は、同じく平成十六年三月末時点でようやく三百六十五台の全体の一〇・九%にとどまっているというのが現状です。

そこで、知事に伺います。乗り合いバスのバリアフリー化が全国的に見ても非常におくれている本県の現状について、どのような認識を持たれていらっしゃいますでしょうか。

また、これまでノンステップバス、またはバリアフリー適合の低床バスの普及促進へ、どのような努力をされてきたのか伺います。

ノンステップバスを普及させるため、公共交通移動円滑化設備整備費補助制度があり、バス事業者がノンステップバスを購入する際、国と地方公共団体がそれぞれ二百万円を上限とした補助をする制度がありますが、我が福岡県がこの補助制度を使った実績は皆無であると聞いております。こうした補助制度をバス事業者が知らないわけはないと思いますが、福祉のまちづくり、またノーマライゼーションを進める立場から、県としてノンステップバスの普及を県内バス事業者に積極的に働きかけるべきだと思います。知事の御所見を伺います。

私がノンステップバスの導入にこだわるのは、何年か前、あるおばあちゃんから聞いた話を忘れられないからです。このおばあちゃんは高齢のため足が悪く、歩くことはできますが、足を余り上げることができません。週に何回かはバスに乗って病院に行っているということでした。ところが、先ほど言いましたように足が悪いため、バスの高いステップを自分で上がることができないのです。それで、バス停でバスを待っていると、バスが来ます。そしてドアが開くわけですが、そのバスに乗ることができません。それで、バスはドアを閉めてそのまま行ってしまうわけです。しかし、このおばあちゃんはバス停で待っていますというふうに言っておりました。私は不思議に思い、おばあちゃん、何を待っているんですかと尋ねると、何十分もバス停で待っていると、いつか必ず親切な人があらわれて、おばあちゃん、バスに乗りたいんじゃないんですかと声をかけ、そして乗るのを手伝ってくれる、そういう人があらわれるまでバス停で待っているんですと、そういうふうにおっしゃっておりました。この話を聞いたのは夏の大変暑い日でした。私は、おばあちゃんがそんな炎天下にも、逆に冬の寒い日もバス停でずっと待っている姿を想像して本当にせつなくなりました。交通バリアフリー法ができた。福祉のまちづくり条例もある。しかし、このおばあちゃんの現実が変わらなければ何の意味もありません。おばあちゃんの目の前に来るバスをノンステップバスに変えるのは地方自治体の役割であり、責務ではないでしょうか。知事の誠意ある答弁を期待いたします。

以上です。ありがとうございました。

麻生知事答弁:

福祉のまちづくりの進捗状況でございます。御質問の中にもありましたけれども、本県は高齢者の皆さん、障害者の方々が積極的に社会参加ができますように、建築物あるいは公園、駅舎、道路などのバリアフリー化に積極的に取り組んでまいっております。本県がこの条例をつくりまして、それを施行した後の状況でございますが、バリアフリー化された建築物、これは二千七十九件となっております。また、県営の公園につきましては、障害者の皆さんに配慮したトイレ、これは十五カ所、車いす用の駐車スペース三十台分を増設をいたしました。また、主要な駅の周辺の道路、これにつきましては約三割、鉄道の主要な駅舎そのもの、これにつきましては約七割、また県庁舎あるいは県のいろんな建物、そういうところにつきましては約八割のバリアフリー化が完了をいたしております。

来年度の福祉のまちづくり施策についてでございます。県の方では、今後も歩道とか公園のバリアフリー化、在宅高齢者の皆さんの住宅の改造費の助成、市町村が行っておりますバリアフリー化整備に対する支援を総合的に行う考えでございます。また、並行いたしまして啓発用のパンフレット、講演会の開催などによります啓発を行ってまいります。また、これらはいろんな部局にまたがりますから、関係部局が連携協力して、この施策を推進をしてまいる考えでございます。市町村、事業者団体、障害者の団体で構成をしております福祉のまちづくり協議会、この協議を通じまして、関係団体や県民の皆さんとの連携、これを行いまして、総合的に福祉のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

低床バスの問題についてであります。低床バスにつきましては、床が低いバスですが、従来から補助制度の活用を通じまして、事業者に導入を働きかけてまいりました。これまで、ノンステップバスということになりますと、坂道での走行に支障がある、端的に言いますと、道が角度が大きいということになりますと、なかなか走りにくいということがあるようであります。また、座席数の制約があるというような構造上の問題があります。こういうこともございまして、バスの事業者の方におきましては、ワンステップバスの導入を優先的に行うという状況が続いております。その結果、ワンステップバスの方は全国平均以上の普及になっているわけでありますが、主として質問がございましたノンステップバスの導入は、反対に進んでいないという状況でございます。

ノンステップバスでありますけれども、これはその構造から、短距離の利用者が多い、平たんな部分を走るという都市部においては採用しやすいという状況がございます。このため、県の方では今後、事業者に対しまして、この積極的な導入を図ってまいりたいと思いますし、また国や地元自治体ともその点について協議をしていきたいと考えております。

たかはし雅成質問:

御答弁ありがとうございました。

二点、再質問させていただきたいと思います。会派の残り時間があと三分になりましたので、三分、目いっぱい頑張って質問いたします。

今、さまざま福祉のバリアフリー化の状況をお伺いしましたけども、きょうお伺いしなかった部分においても、県営住宅のバリアフリー化ですとか、鉄軌道の問題もありますし、学校のバリアフリー化の問題もあります。また、警察本部のバリアフリー対応の信号機、こうした問題もありますので、ノーマライゼーションという観点から言えば、非常に幅広いバリアフリー化というのが必要になってくるというふうに考えております。福祉のまちづくりやバリアフリーの町をつくると、それが当然でありまして、バリアがあるのは異常なことだという認識が大事だろうと思うわけです。ところが、現実には行政を含めて、その考えがまだ十分に浸透していない、理解が深まっていないというのが現状ではないでしょうか。その意味で、県行政としてもバリアフリー化の進捗状況を時々にチェックするということが必要だと考えております。平成十四年度にバリアフリーマップ作成のための調査を行っておりますが、こうした調査を定期的に実施する考えはないか知事に伺います。そうすることでバリアフリー化の進捗状況を評価することも可能になると思います。また、調査に当たりましては、市町村や障害者団体、障害者を支えるNPOなどの協力を得れば、調査はよりきめ細かく、障害者の実態に即したものになるのではないかと思いますので、あわせて提案させていただきます。

次に、ノンステップバスに関してです。バスは英語で言いますとバスですけども、それは省略された言葉で、もともとはオムニバスと言います。オムニバスの本来の意味は乗り合い馬車です。そこから転じて、幾つかの独立した作品を並べて一つの作品に仕上げた映画や演劇、また複数のミュージシャンの作品を収録した音楽アルバムのことなども指します。つまり、バスはいろんな人の人生を乗せるからバスと言うのだと思います。バスがバスであるためには、乗りたい人だれでもが乗れてこそバスと私は思っております。

ノンステップバス導入を進めるための整備費補助制度、この補助のための予算が県に計上されていないのは私は問題じゃないかと思っております。大体の値段で言いますと、通常のバスで一台千五百万円、ノンステップバスで一台二千万円から二千三百万円くらいだと聞いております。二千万円だとすると、一台当たりの差額は五百万円。国が二百万円の補助、自治体が二百万円の補助をすれば、バス会社の負担は一台当たり百万円で済むわけです。県としても緊縮財政を組まざるを得ない厳しい状況ではありますが、今後、バス会社がこの補助制度を使いたいという要請があれば、直ちに予算を計上してもらいたい。導入の車両数がふえていけば、県のみで負担していくのは無理があるでしょうから、県がまず範を示しつつ、福岡市や北九州市、久留米市など主要な都市で財政状況に応じた予算を計上していってはどうかと思います。県はまず、その音頭取りをしてもらいたい、そう思いますけども、知事の見解をお伺いして、一般質問を終了させていただきます。

どうもありがとうございました。

麻生知事答弁:

バリアフリー化の進捗状況の調査についてであります。公共的な建物につきましては、定期的にこの調査を実施いたしております。民間の建物などにつきましては、当然、調査対象が物すごく多くなってまいります。これをどういうふうにすべきかということにつきましては、市町村の協力等が不可欠でありますから、この点、市町村との協議をしながら研究をしてまいりたいと思います。

ノンステップバスの購入にかかわる予算の計上ですが、これはノンステップバスの導入、ワンステップよりもこちらの方がいいということでありますから、その導入促進の環境を整えていく必要があると考えております。県の方でもこれにつきましては助成制度がありますから、その活用を事業者に促し、また関係自治体とこれを協議してまいりたいと思っております。