平成17年6月定例会(平成17年6月20日 本会議)

たかはし雅成質問:

こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従い、子育て、教育とメディアのあり方について質問します。

昨年六月一日、長崎県佐世保市の小学校で起こった児童殺傷事件から一年が経過しました。改めて犠牲となりました少女の冥福を祈るとともに、加害少女がみずからが犯した罪を認識し、一刻も早く立ち直ることを祈ってやみません。この事件の背景については、事件直後からメディア、特にインターネット上のチャットや掲示板の存在が指摘されてきました。昨年六月議会において、知事はこの点に関し、大要、原因についてメディアとすぐ直接結びつけて一般化することがいいかどうか、原因を慎重にかつ深く分析して対応策を考えるべきだと答弁し、また教育長は、要因などは今後の解明を待つ必要があるとしつつも、インターネットやゲームなど多様なメディアの普及で、大量の情報に子供たちが適切に対応できない状況が生まれつつあると答えております。その後、同じクラスの中学生同士が一人になるまで殺し合う映画を模した小説を加害少女が自分のホームページに記していたこと、少女が事件前日に殺害方法の参考となるインターネットのサイトを閲覧していたことなど、事件とメディアとの関連が判明しております。事件から一年を経過し、知事及び教育長は、事件とメディアとの関係、加害少女へのメディアの影響をどのように考えられるでしょうか。それぞれ御答弁をお願いします。

今、子供とテレビ、ビデオ、ゲーム、パソコン、携帯電話などの電子映像メディアのかかわりについて、社会的関心が急速に高まっています。それは、佐世保市での事件など子供が起こすさまざまな事件とともに、子供たちの心と体に今までにないおくれやゆがみがあらわれているからです。

ある小児科医が報告した症例を紹介します。赤ちゃんのときから育児ビデオを見せていた三歳の女の子の例です。一歳で歩き始めたが、呼んでも振り返らない、視線が合いにくく、お母さんの後追いも、人見知りもなくなってしまいました。気に入らないとパニックが起きて、弟や母親をかむ、たたく、物を並べるこだわりがありました。ここまでの症状は典型的な自閉症の症状です。三歳の段階で診察を受けました。視線が合いにくく、お母さんを振り返らない。言葉が少なく、ひとり言をつぶやいていたそうです。

一歳七カ月の男の子は、ゼロ歳からテレビや英会話ビデオを一日じゅう見せられていたそうです。言える言葉の数が少なく、痛いという表現や感情の共有に乏しく、痛いときには泣くだけで訴えることができない。うれしいときに、見て見て、と言ってお母さんを振り返るという行動がない。思いどおりにならないとパニックが起こる。頭突きが見られ、視線が合いにくく、要求の仕方はクレーン行動といって、人の手をとって物をとらせる行動です。

多くの小児科医や保育士などの報告によると、このように視線が合わない、赤ちゃん芸が乏しい、感情表現のおくれ、こだわり行動、パニック行動、ひとり言、多動、たたく、かむなどの攻撃、引きこもり、偏食、集団適応障害、振り返って親を見ない、意欲がなくぼうっと中空を見るなどの症状の子供たちが増加しているそうです。そして、その子供たちのいずれもが小さいときからテレビ、ビデオなど電子映像メディアに長時間触れており、医師がテレビ、ビデオを見ることをやめるよう指示し、そのとおりに実行すると症状が改善しています。このように、ここ数年、映像メディアと子供たちの危機の関係が指摘されております。今の段階で科学的に因果関係が立証されているわけではありません。しかし、ある脳神経外科医は次のように述べております。私たちの脳の前頭前野──おでこのところですけれども──は深い思考、行動の抑制、コミュニケーション、意思決定、感情のコントロール、記憶などを担当している部位ですが、この前頭前野の神経細胞がゼロ歳から三歳までの間に急激に育ちます。実験では、前頭前野が活性化するのは、読み書き計算をするとき、他者、特に複数の人間とコミュニケーションをするとき、親とコミュニケーションをとるとき、集団で遊ぶ、手や指を使って何かをつくり出す、料理、編み物、裁縫、楽器の演奏などのときだそうです。歌では独唱がよく、合唱やカラオケは活性化しないそうです。逆に、テレビ、テレビゲーム、漫画というのは前頭葉を抑制する三大要因になっているとのことで、メディアとの接触は、前頭葉にとっては休息にしかなっていない可能性が高いということです。そして、この前頭前野が急速に発達するゼロ歳から三歳までにテレビやビデオの教材などでメディア漬けになると日常生活の中で前頭前野を活性化するチャンスを奪われてしまうのではないかと警鐘を鳴らしております。

メディア接触時間と体力、運動能力の関係を調べた調査もあります。熊本県の中学三年生の走り幅跳びと背筋力のデータですが、昭和四十九年に男子で走り幅跳び平均四・〇五メートル跳んでいたものが、二十九年後の平成十五年にはメディア接触時間二時間未満の男子で三メートル六十七センチと四十センチ近く平均値が落ちております。ところが、メディア接触時間が二時間を超えるグループではさらに記録が落ちて、平均三メートル二十七センチと八十センチ近くも跳躍力が落ちていることがわかっております。同じ調査では女子の背筋力指数が落ち込み、女性が赤ちゃんを抱くのに必要な背筋力指数一・五を下回っているという数値もあります。

そこで、質問ですが、情緒の発達が未熟になって目線が合わない、感情の表現が少ない、言葉がおくれているなどの自閉症的な症状があり、なおかつテレビ、ビデオなどの視聴をやめると急激に改善するという子供たちの実態を、福岡県として把握していますでしょうか。また、こうしたグループの子供たちが年々増加しているとの報告を県としてつかんでおりますでしょうか、知事にお答え願います。

また、県内の子供たちの体力、運動能力について、最近の子供と一昔前の子供を比較していかがでしょうか。また、その傾向とメディア漬けとの関連をどう考えますか、教育長に伺います。

メディアと子供の情緒発達のおくれの関連を懸念し、一九九九年、アメリカの小児科学会は、脳の発達を妨げるおそれがあるため、二歳未満の乳幼児にはテレビを見せるべきではないと勧告しました。日本でも小児科医、脳神経外科医、産婦人科医、保育士、大学教授、教師、NPO法人などが危険性を発信し続けています。NHKの放送文化研究所では、千三百人の赤ちゃんを十二年間追いながら、番組が子供の発達に与える影響の研究を始めました。文部科学省も、脳科学と教育という研究プロジェクトをスタートしております。結果が出るのはまだ何年も先のことになります。その間にもたくさんの子供たちが育っていくわけです。そこで、昨年二月には日本小児科医会が「「子どもとメディア」の問題に対する提言」を発表しました。その内容は、一、二歳までのテレビ、ビデオの視聴を控える、二、授乳、食事中のテレビの視聴はやめる、三、メディアに接触する時間は一日二時間まで、テレビゲームは一日三十分までを目安に、四、子供部屋にはテレビ、パソコンを置かない、五、親子でメディアを利用するルールをつくるという内容です。これに対応し、全国各地でいろいろな形のノーテレビデーの試みが始まっています。宮城県では、県が音頭取りをし、青少年のための宮城県民会議という団体が、メディア漬けの弊害をなくすためテレビの時間を少し減らしませんか、と県民に呼びかける家族の会話促進事業を、平成十五年十一月から始めております。茨城県東海村は、「毎週土曜日はテレビの声より家族の声」をスローガンに、毎週土曜日をテレビを見ない日としています。宮崎市の本郷地区では校区内の二つの小学校と中学校が学力向上策の一環としてノーテレビデーに取り組んでいるそうです。その結果、テレビを見たりゲームをしたりする時間が減り、その分、外で友達と遊ぶ時間、勉強する時間、お手伝いをする時間、読書をする時間、親や兄弟と話したり遊んだりする時間の順でふえ、学力は明らかに向上しているそうです。長野県池田町や東京都江東区など各地のPTAが毎月第三日曜や毎月十日の日などと決めてノーテレビデーに取り組んでいる例がふえています。県内では、北九州市PTA協議会が、ことしから子ども読書の日の四月二十三日を、ノーテレビ、ノーゲーム、読書デーとして取り組みを始めたところです。

そこで、アンビシャス運動として青少年の健全育成に並々ならぬ決意で取り組まれている麻生知事に伺います。取り組みの方法は別として、本県としてもノーテレビ運動を進めるべきときだと思いますが、その考えはありませんでしょうか。また、PTAなどでノーテレビデーの運動を進める際に、何らかの後押しをすることを検討していただきたいが、いかがでしょうか。

また、これから子育てに入る母親、父親に子供がメディアに接する際の注意を促すことが非常に大事だと考えます。一歳六カ月健診のときでは遅いという指摘もあることから、母子手帳を渡すときに乳幼児のテレビ、ビデオ視聴に注意を促すパンフレットなど印刷物を同時に手渡すことを提案いたしますが、知事の見解を求めます。

なお、日本小児保健協会が、平成二十四年の次回母子手帳改正のときに、「二歳以下のテレビ・ビデオの視聴は気をつけましょう」との一文を母子手帳の一ページ目に記載したいとの思いを持っていることをつけ加えさせていただきます。その一文が掲載されるまでの七年間、県がパンフレットなどを手渡す事業を実施すれば、未来の福岡県を担う子供たちの健全育成に大変に意義深いことになると私は確信しております。さらに、今現在、乳幼児を抱えて子育て真っ最中の母親、父親にテレビ、ビデオ視聴への注意を呼びかけることも大事だと考えます。県の広報などを使って県民へ注意を呼びかけるなどの啓発活動を行っていただきたいが、知事の御所見を伺います。

次に、メディア・リテラシー教育について伺います。山のようにあふれる情報の中から情報を正しく読み取り、人間として生きるための知恵を引き出す材料を見つけていく。そういう力を身につけるためにメディア・リテラシーと呼ばれる教育が注目されています。リテラシーとは読み書きの能力のことです。つまり、文字を読み書く能力と同じように、メディアを読み解く力がメディア・リテラシーです。メディアの特性や社会的な意味を理解し、メディアが形づくる現実を現実そのものではなく構成されたものとして読み取る力、さらにみずからの考えなどをメディアを使って表現、コミュニケーションを図る力、すなわちメディア社会と積極的につき合うための総合的な能力を身につけることが情報社会の中で求められております。そこで、まず福岡県内の小中学校、高校でのメディア・リテラシー教育はどのように行われているのか伺います。この分野の教育は急速に変わっており、教える側の教師がついていけない部分があるように聞いております。そこで、メディア・リテラシー教育を進める教師への教育が必要だが、現状はどうでしょうか、教育長に伺います。

また、メディア・リテラシー教育は子供だけでなく、大人、父母にも必要不可欠です。公民館活動の中でNPOなどが取り組んでいる例が、福岡県内にもあるようですが、いずれにせよ生涯学習の中での取り組みが必要と考えます。この点、教育長はどのような見解をお持ちでしょうか、お答えください。

最後に知事に伺います。メディアと子供の相関関係を憂え、啓発活動を続けているNPO法人が全国で唯一、福岡市内にあります。文部科学省の委託を受け、子供とメディアの関係の調査も続けております。こうしたNPO法人と協力し、子供とメディアの関連を独自に調査する必要性を感じるものですが、知事の御所見を伺います。

以上で私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

麻生知事答弁:

まず、佐世保事件とメディアの影響との関係についてでございます。この佐世保事件につきましては、インターネットといった情報メディアの影響が大きいのではないかということが指摘をされております。ただ、この事件とメディアとの関係について、具体的な因果関係は、昨年の十二月に調査報告書が出されましたけれども、ここにおいては、必ずしも明確になったとは言えない状況であります。

一方、一般的に映像メディアが提供いたします情報、その中には特に性とか暴力とかいろんな表現がなされているわけですが、これにつきましては、明らかに子供に悪影響を及ぼしておるという指摘がありますし、また多くの時間をテレビを見るというようなところに使いまして、その結果いろんな思考力、あるいはいろんな他のことをする、運動をするというようなことがなくなってしまっておるという指摘がございます。このようなことを考えますと、子供たちの健全な発達を考えます場合に、メディアと子供との関係、これはさまざまな観点から分析をすると同時に、この悪影響というものを遮断をしていくということに取り組んでいかなければいけないと考えております。

実際に子供の発達に与えるメディアの影響の実態についてでありますが、この点につきましては、各方面からいろんな指摘がなされております。県の方におきましても、視線を他人と合わせないとか、あるいは自分のいろんな考え、感情を言葉という形で表現ができないというような発達のおくれた子供があります。これにつきましては、日常生活を見直していく、そしてテレビやビデオを見る視聴時間を減らしていく、それにかえまして親子の対話、触れ合う時間を大切にする、これがぜひ必要であるということについて理解を深め、そのように働きかけをしておるわけでございます。

ノーテレビデー運動をしてはどうかということについてでございますが、これは非常にテレビを見る時間を減らし、ほかのことをいろいろできるという意味で非常に意義がありますし、特に親子のコミュニケーションの機会をつくっていくという上からも、意義のあるものというふうに考えております。アンビシャス運動でも取り上げたらどうかという御指摘がございましたが、実はそのアンビシャス運動の中でも十二あるうちの一つの運動項目が、それぞれの家庭の教育の方法を独自につくろうという項目が入っています。その中で、具体的には一つの実践項目といたしまして、せめて食事のときはテレビを切るということを最小限やってもらいたいというようなことも提唱いたしておりまして、やはりこのテレビを中心としました映像情報、これに多くの時間をとり、それが対話をなくしてしまっておるということの弊害につきましては、当時から認識をいたしておりまして、何とかここから始めたいと考えておったわけでございます。したがいまして、ノーテレビデーというのは非常にわかりやすい運動ということは、この問題の大きさということを考えますと非常にいい運動であるというふうに私は考えるわけでございまして、そのような取り組みがいろんな各地で行われる、あるいはPTA連合会としても行うという動きになっておりますが、これにつきましては、そのような運動を大いに支援をしていくというふうに考えてまいりたいと思います。またアンビシャス運動の中におきましても、今の映像情報と子供の発達ということについてもっとよく考え、これの防止策をとるということを強く進行させるということもやってまいらなければいけないと考えております。

このようなことについて実際に大切なのは、子育てを行う親の皆さんへの理解、啓発についてでございます。これにつきましては、この育児冊子の中で、具体的にテレビを見た場合の影響を記載をいたしておりまして、これを乳幼児の健診のときに配付をしまして、保護者の皆さんにこの点の認識と具体的な行動をとるように求めております。

また、このような点につきましては、子育て支援に直接かかわります助産師の皆さん、保健師の皆さん、あるいは保育士の皆さん、この皆さんにもよく理解をしてもらう必要があるわけでございまして、これにつきましては、研修会を実施をするということを通じまして、この分野の問題、そしてどういうふうに対処すべきか、そのような能力の向上のための作業を行っております。このようなことでございまして、今後とも健全育成の観点から、妊娠中のお母さんも含めまして、啓発をしてまいりたいと考えております。

次に、福岡県のNPO法人が全国で唯一だという御紹介ございましたが、この子供と広義のメディアとの関係について相互に、どのような影響が生じておるのかということについて研究をしております。非常に積極的な取り組みを行っておるわけでございます。県の方では、この正確な情報、メディアと子供たちの発達の関係、これをやはり研究するということは、非常に大事でございます。その意味で、NPO法人あるいは関係機関、いろんな調査をいたしておりますし、大学なんかも調査をいたしておりますが、そういうものについて情報の収集をし、有用なものにつきましては、我々の青少年の健全育成、育児、その分野に活用を図ってまいりたいと考えております。

森山 教育長答弁:

まず、佐世保事件とメディアとの関係についてであります。佐世保の事件とメディアとの直接的な因果関係は必ずしも明確ではありませんけれども、長崎県の最終報告におきましては、インターネット掲示板への書き込みが加害児童が被害児童に対して怒りや憎しみを抱いた要因となったこととか、あるいは加害児童が残虐的な内容の多い映画や小説に影響を受けていた可能性が指摘をされております。このため、子供たちに対しますインターネット上の有害情報とか、危険性に対する指導とともに、小学校段階からの情報モラルやマナーの向上についての系統的な取り組みが急務であるということを改めて痛感をいたしておるところでございまして、情報モラルの育成などに一層努めてまいりたいと考えております。

次に、県内の子供たちの体力、運動能力の現状についてでございます。本県におきまして、比較できるデータといたしましては、昭和五十九年と平成十六年の調査結果がございます。これらの調査は、小学校五年生、中学校二年生、高等学校二年生の児童生徒を対象といたしまして、握力とか五十メーター走、立ち幅跳び、ソフトボール投げなどの種目で構成をされておりますが、この調査結果によりますと、筋力や走ったり、投げたりする能力など全体的に低下傾向が見られるところでございます。

こうした体力、運動能力の現状とメディア視聴との関連についてでございます。今日の子供たちは、社会環境の変化によります遊び場の減少とか、あるいは少子化に伴う遊び仲間の減少によりまして、室内で遊ぶ時間が増加をしております。平成十三年度の子供の遊び実態調査によりますと、室内での遊びにおきましては、テレビとかビデオ、DVDなどメディア視聴によるものが最も多く占めておるところでございます。近年の児童生徒の体力、運動能力の低下につきましては、こうした室内での遊び時間の増加による運動不足ということが要因の一つであると考えております。

次に、学校でのメディア・リテラシー教育についてでございます。現在、学校におきましては、メディア・リテラシー教育といたしまして、メディアの特性とか、社会に与える影響などを考えて情報を主体的に取捨選択する力、みずから情報を創造し、発信する力、それから情報モラルなどの育成を目指した教育に取り組んでおります。具体的には、各教科とか総合的な学習の時間などにおきまして新聞やコンピューターなどを積極的に活用したり、インターネットや図書館を利用した調べ学習を行うなど、発達段階に応じた教育を推進をいたしておるところでございます。県教育委員会といたしましては、今後さらなる指導の充実に努めてまいりたいと考えております。

次に、メディア・リテラシー教育を進める教員の育成についてでございます。メディア・リテラシーをはぐくむ教育を充実するためには、教員の認識を深め、指導力を高める必要がございます。このため、県教育センターの専門研修にメディア・リテラシーに関する講座を開設をいたしますとともに、指導資料の配付とかその効果的な活用に努めておるところでございます。また、今後は、校内研修などでの実践的な取り組みを促進をしてまいりたいと考えております。

最後に、生涯学習におけるメディア・リテラシー教育についてでございます。県民のメディア・リテラシーの向上を図るということは、子供の健全育成の観点からも生涯学習の重要な課題でございます。このため、情報モラルも含めました幅広い学習機会の提供が必要でございまして、現在、市町村の公民館などでメディアに関する講座が開催をされたり、PTA等の研修会で子供の映像メディア漬けの問題が協議されるなど、さまざまな機会をとらえて学習や啓発が行われておるところでございます。今後とも、関係団体等と連携をしながら、積極的な取り組みを促進をしてまいりたいと考えております。

たかはし雅成質問:

知事、教育長、非常に前向きな御答弁をありがとうございました。要望をさせていただきます。

子供は、人間が育てるから人間になります。赤ちゃんのときにオオカミに育てられた少女は、大人になっても最後まで人間らしい生活には戻れなかった、そういう有名な話がございます。テレビの前で青白い光を見詰めながら、テレビから出てくる音だけを聞いて育つ、そういう子供を想像してみてください。そんなまるでSFのような世界が現実の世の中に近づいてきつつあるということだと思います。赤ちゃんにおっぱいをあげるお母さんが、全然赤ちゃんを見ないでテレビを見ながらおっぱいをあげている、そういう現実があるわけです。これまでも県の取り組みは、今、知事から答弁いただきましたように、さまざま取り組みがあるわけですけれども、子供のメディア漬けに対する危機感がいま一つ薄いのではないか、そういう印象を今回受けました。御答弁の中で育児冊子を作成しておるという答弁でございましたけれども、一歳半と三歳から四歳のころということで、「ゆったり子育て 子育て応援団」という、こういう二つの冊子を県がつくっているわけですけれども、読ませていただきますと、一歳半の方では、「テレビやビデオとのつきあい」という中で、「テレビやビデオの幼児番組を楽しむようになってきます。ときには、音楽に合わせて体をゆすったりすることもあります。でも、だらだらとつけっぱなしにするのはよくありません。親子の会話を楽しむ道具として、上手に生活に取り入れたいものです。」と、非常にソフトな言い回しでなかなか危機感としては迫ってこない内容になっております。一方で、先ほどから挙げておりますNPO法人では、「二歳まではテレビを消してみませんか」という、こういう冊子をつくっております。知事ももう御存じだと思いますけれども、このような詳しい内容のものをもう少し一般の県民の皆さんに提供してあげる、そういう必要があるのではないかというふうに思っております。そこで、妊娠中も含めて啓発に努めてまいりたいという御答弁でしたので、今、母子手帳とともに福岡県の方が妊婦の皆さんに差し上げております「子育て1・2・3」こういう立派な冊子がございますけれども、こういった中で、しっかりとこのメディア漬けの問題に対して警鐘を鳴らす、そういう内容をしっかりとしたものを掲載していただきたいというふうに要望したいと思います。

小さいころはテレビの内容が問題なのではなくて、テレビから出る光と音が問題になっております。三十分の低俗番組より、三時間の教育ビデオの方が問題だと、そういう指摘をする声もございます。ぜひこの点はしっかりとお取り組みをお願いしたいと思います。

もう一点は、メディア・リテラシーの問題ですけれども、大阪府が平成十五年度に、青少年メディア環境調査というのを実施し、その後この調査をもとに学校はもとより家庭や地域で使えるメディア・リテラシー教育プログラム、それをCD−ROM教材でつくっております。題して「メディアって何だ」というのを開発しております。この大阪府の取り組みは、知事部局と教育委員会と横断的に協力してでき上がっております。小学校の五、六年生用で、大変楽しい内容になっております。大人でも楽しめます。このようなプログラムの開発も含めて、今後積極的にメディア・リテラシーに取り組んでいただきたいことを二点要望いたしまして、私の一般質問を終了します。

御清聴ありがとうございました。