平成18年2月定例会(平成18年3月9日 本会議)

たかはし雅成質問:

皆さん、こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従い一般質問をさせていただきます。

少子化対策についてまず伺います。内閣府の二〇〇五年版少子化社会白書は、日本を初めて超少子化国と表現しました。少子化の原因としては、一九八〇年代までは未婚化、晩婚化、非婚化の進行、つまり結婚する人の減少が挙げられてきました。その後、九〇年代以降はこれに加えて、結婚した夫婦の子供の数も減ってきたことが挙げられています。少子化の第一段階としての未婚化、晩婚化、非婚化は、統計的には生涯未婚率つまり一度も結婚したことがない人の割合であらわされます。戦後すぐには男女とも二%にも満たなかった生涯未婚率は、二〇〇〇年には男性一三%、女性六%にまで増加しています。背景として、若年層の雇用情勢の悪化が大きな影響を与えていると指摘されています。第二段階の夫婦の子供の数の低下は、経済的な理由などにより夫婦が理想とする子供の数を産み育てることが難しい、そういう社会のありようが問題視されています。

日本人の平均初婚年齢は、平成十五年で男性二十九・四歳、女性二十七・六歳、ともに過去最高を更新中です。先ほど指摘しましたように、二十歳代後半の女性の未婚率は一九八〇年代半ばから急上昇したと言われ、平成十二年には五四%に達しました。統計では三十歳代前半でも女性の二七%は結婚していません。また、日本の合計特殊出生率は一・二八八で、現在の人口を維持するのに必要な水準二・〇八を大きく下回っています。福岡県においては一・二五とさらに全国平均を下回っているのが現状です。日本経済新聞の調査では、子供をふやさない理由の第一位は経済的負担で全体の七六・二%、第二位の心理的、肉体的負担の三八・八%を大きく上回っています。一人っ子世帯は五百五十万件、子育て世帯の最大多数派となっております。

こうした中、昨年行われた時事通信社のくらしと環境に関する世論調査によりますと、このような少子化の状況に危機感を感じているかとの問いに、とても感じていると答えた人が五〇%、多少感じているの三三%と合わせて八三%もの人が少子化に危機感を感じている現状が明らかになりました。同じ調査では、少子化の原因として、晩婚化、未婚化を挙げた人が六三%、子育て、教育にお金がかかり過ぎると答えた人が六二%、次いで仕事と子育てを両立させる社会的仕組みが未整備とした人が四七%、将来の生活設計への不安を挙げた人が四一%と続いています。

少子化対策としては、母親の育児と仕事の両立支援策や、若者が安心して家庭を築けるようにするための雇用対策、男性も含めて家庭と仕事の両立を容易にするためのワークライフバランスの実現、さらに育児そのものに対する経済的支援などが求められています。大部分は国が果たすべき支援策ですが、都道府県や市町村で取り組めるものも少なくありません。実際、全国の自治体ではさまざまな子育て支援策がとられております。福岡県もこれまでの子育て支援策に加えて、新年度は子育て応援の店推進事業など多彩な子育て支援策を展開する予定にしており、高く評価するものです。

そこで、少子化対策としての県の子育て支援策のうち、仕事と子育ての両立を応援する子育て応援宣言登録制度について何点か質問します。同制度では、平成十九年度までに登録企業、事業所を一千にするとの目標を掲げております。現在、二百ほどの企業、事業所が登録していますが、目標達成への見込みについてまず伺います。

次に、県内には二十万を超える企業、事業所がありますが、それに対して目標が千でよいのか、若干疑問があります。制度の意義は、職場が子育てを応援するのが当たり前という社会を実現することだと思います。新しい事柄が社会の常識になるという過程を示した百匹目の猿という有名な話があります。宮崎県串間市の幸島という猿の島に、一九五三年に一匹の若いメス猿が芋や麦を海水で洗い、あるいは味つけをして食べる行動をとるようになり、その行動が家族や親族の間に広がり、やがて他のグループの猿にも及んでいきます。やがて幸島の百匹目の猿が芋洗いを覚えたときに、全国各地で同時多発的に同様の行動をする猿が出現したという話です。子育てを応援する企業、事業所の百匹目の猿が、二十万分の一千社でよいのかどうか私には判断できませんが、もう少し目標を高く設定することも視野に入れてはいかがかと思います。知事の御所見を伺います。

また、登録企業には三年目を迎えているものもあると思いますが、その検証はどのようにしているのでしょうか。さらに、社員の子育てを応援する過程で育児休業取得者が出たり、短時間勤務者が出たりした場合、効率的な業務遂行や仕事を職場内でうまくシェアしていくには、ノウハウの研究や職場の改善が欠かせないと思います。登録企業がこうした職場改善をする際に助成金を出せないか提案いたしますが、知事の考えをお聞かせください。

次に、共働き家庭の子育て支援と子供の安全確保のため、一部で実証実験が始まっている生活塾について伺います。生活塾は、慶應義塾大学の島田晴雄教授が提案しているものです。内容は、両親ともにフルタイムで働く家庭について、小学生の子供を学校から帰宅後、親が帰宅するまでの時間、人生経験豊かな退職者や子育てを終えたベテラン主婦などに預かってもらうというものです。小学生を持つ母親の多くは仕事をしています。統計では、末子年齢がゼロ歳から三歳では母親の労働力率は三二%、四歳から六歳では五二%であるのに対し、七歳から九歳では六三%、十歳から十二歳では七〇%となっています。そのうち三分の二はパート、自営業などですが、三分の一はフルタイムの雇用者として働いているということです。このため、学校や放課後児童クラブなどから帰宅後、保護者がそばにいない場合、子供は事故や犯罪に巻き込まれたり、健全な発育上好ましくない環境に誘引される危険が少なくないとされ、小学生を預かり、親にかわっておやつや食事を与えたり、あいさつなどの基本的な生活習慣を身につけることなどをサポートする生活塾が提案されているわけです。現在、さいたま市や東京都新宿区、神奈川県川崎市などが実証実験をしている最中ですが、この生活塾について知事はどのような考えをお持ちでしょうか。実証実験の結果も踏まえて、県内でも普及を図る考えはないかお伺いいたします。

以上で私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

麻生知事答弁:

子育て応援宣言企業についてであります。今月に入りまして宣言企業数がずっとふえておりまして、二百社を超えるというめどが立ちました。そして、初期の段階におきましては宣言企業は中堅企業、中小企業が中心でありましたけれども、このところ九電を初め大企業も積極的に宣言するということになりまして、その意味で広がりが非常に大きくなり、また深くなりつつあるという状況でございます。また、民間の金融機関の方でも、宣言企業に対しましてこれを応援しようということで、特別の低利融資制度を設けるというような動きも出てまいりまして、登録企業がふえるばかりじゃありませんで、その活動の中身もだんだん広がってきておるという状況でございます。そして、私どもはこの応援宣言企業千社を目標に行っております。この千社というのは、千社になれば随分有名になって、応援企業じゃない企業はだんだん肩身が狭くなって、もう応援企業じゃないと一人前の企業じゃないというような、百匹目の猿みたいに、大きく考え方の転換が行われる、これの一つの大きな節目になるのは千社じゃないかなと思って、千社を目標にやってますが、千社で百匹目の猿にならないということかどうか。これは実は、まだ二百社でありますから、目標としては大分先でありますから、その状況を見ながら、千社からさらに次の目標に向かって新しい設定をするかどうか考えていきたいと思います。

それから、子育て応援宣言をしました企業、これを登録してもらうわけでありますけれども、今私どもは、登録期間は二年であるという考え方でやっております。したがいまして、二年たちましたらこれを更新してもらうということでございまして、更新の際には、二年間の具体的な応援活動、企業内でどういうふうにやっておるのかということにつきまして報告をしてもらおうということでございます。既に二年経過後、どんな活動が新たに始まったかということでございますけれども、これは今報告を受けたところでは、宣言をきっかけに育児休業取得制度を整備いたしまして取得者がふえた企業、あるいは育児休業後の職場への復帰率、これが一〇〇%になったというようなことも報告が出ております。今後も継続いたしまして応援企業の取り組み状況を把握しまして、その効果を検証しながら、この運動を進めてまいる考えであります。

子育て応援企業に対するいろんな助成の問題についてでありますが、これはまず、どういう取り組みをすれば効果的であるかということにつきまして指導、助言を行います専門家を各企業に派遣するという事業を実施いたしております。さらに、今後は育児休業取得から復帰までが円滑にできる職場環境の整備、これを具体的にマニュアルをつくって広く普及させようということでございますし、これを実行するに当たりましてのそれぞれの責任者の研修会の開催を行う考えでございます。これによりまして職場環境の改善を積極的に支援をしてまいります。

生活塾の普及の問題についてであります。生活塾につきましては、地域住民によります子育て支援の促進、仕事と子育ての両立の支援、さらに放課後におきます子供たちの安全確保という観点から始まっているものでございまして、今国の方ではこれのいろんな効果につきまして実証的な研究が行われています。県の方でも、このような研究を踏まえながら、今後その導入について検討をしてまいりたいと考えております。

たかはし雅成質問:

知事、御答弁ありがとうございました。百匹目の猿で笑いになるとは私は思ってませんでしたけれども。なぜ百匹目の猿という話をしたかといいますと、福岡県だけでなくて、幸島だけじゃなくて全国で同時多発的に同じことを始めたというところが私大事だと思うんですけれども、福岡から、子育てを企業や職場が応援するのは当たり前だという時代精神を全国に向けて発信していただきたい、そういう思いを持ちながらお話をさせていただきました。ぜひ検討していただきたいと思います。

それから、地域間で子育て応援登録宣言の企業が若干格差がございます。百八十七事業所が宣言をした時点での、先月での数字なんですけれども、福岡地域では百三十五社に対しまして北九州地域では十七社、筑後では三十社、筑豊では五社というふうになっております。特に北九州の十七社というのが非常に納得がいかないなという思いがしておりますので、ぜひ満遍なく応援登録できるような、そういう態勢をとっていただければなというふうに思います。

それから、私の知り合いのある企業の社長さんですけれども、この企業は女性従業員、既に数人に対して育児休業とらせたことがあります。職場復帰もさせております。そういう企業でありますし、社長は企業が子育てを応援するのは当然だというふうに高い意識を持っているわけですけれども、残念ながら応援宣言に登録しておりません。理由をお尋ねしたところ、メリットが何もないからだ、何も得しないからだというようなことを言っておりました。登録をして得をしたというような制度になるように、再度検討していただければというふうに思います。

子育て応援宣言につきまして、以上三点要望いたします。

それから、きのうの日経新聞の夕刊の一面に、「自治体、独自に少子化対策」という大きな記事が載っておりました。この中に、福岡県の子育て応援の店、来年度から始める推進事業も掲載されておりました。その同じ記事の中に、「妊娠中から支援するのは福井のほか、兵庫や静岡など。」ということで、妊娠中から支援策をとっている県があります。「兵庫は市町と妊娠後期の検診料として三万円の支給を始める。静岡は妊娠中の女性らにスーパーや飲食店で割引やサービスが受けられる「優待カード」を発行する計画だ。」というふうに記事に掲載しておりました。本県は残念ながら妊娠中の女性とか、またその家庭を支援する制度が、探しましたけれども、私の能力がなかったせいか見当たりませんでした。きのうの我が会派の大城議員の質問にもありましたけれども、妊娠中から周産期医療なんかも含めて何らかの支援を与える、そういう制度を検討すべきだと思いますけれども、この点、知事はどのようにお考えでしょうか。一点のみ質問させていただきまして、一般質問を終了いたします。

御清聴大変ありがとうございました。

麻生知事答弁:

妊娠したということをもって直接的に支援するというやり方もあるわけでありますけれども、我々はまた別の方法をとってまして、このように社会全体が広く子育てを応援するんだと、社会の通念とか考え方を思い切って変えていこうということで、応援宣言企業とか子育ての応援のお店をつくっていくということでありまして、我々は我々独自のやり方で、ひとつ頑張っていきたいと思っております。