皆さん、こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
初めに、肺炎を予防するワクチン接種について質問します。
肺炎は、がん、心臓病、脳卒中に次いで、日本人の死因の第四位となっています。毎年約九万人が肺炎で亡くなり、そのうち六十五歳以上の高齢者が九五%を占めています。肺炎による死亡者数は、戦後一貫して減少してきましたが、近年、毎年増加する傾向にあります。これは、小児領域での風邪や発熱に対して抗生物質が多用されたために、抗生物質の効きが悪い耐性菌の肺炎球菌が増加したことが原因とされ、一部の抗生剤に対しては、既に四〇%が耐性菌になっているとの報告があります。ところで、肺炎の病原体には細菌やウイルスなど幾つも種類がありますが、肺炎球菌によるものが肺炎のおよそ半分を占めています。そして、この肺炎球菌を防ぐワクチンがあることが日本では余り知られていません。肺炎球菌ワクチンの効果は、海外の研究などで既に実証されています。例えば、アメリカ・ミネソタ州の老人ホームで一九九六年から九九年の冬季四カ月間、高齢の慢性肺疾患患者に肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併用し、ワクチンを接種しないグループと比較したところ、ワクチン接種グループでは入院リスクを六三%、死亡リスクを八一%削減したそうです。また、スウェーデンのストックホルム市で、九六年から三年間実施した大規模追跡調査では、市の高齢者二十六万人のうち十万人にワクチンを接種し、未接種者約十六万人と比較したところ、六十五歳以上の全死亡リスクが五七%低下したという報告があります。こうしたことから、世界保健機構は肺炎球菌ワクチンの接種を推奨しておりますし、アメリカでも国が高齢者への接種を推奨し、六十五歳以上の約七割が肺炎球菌ワクチンを接種しているとのことです。また、カナダでは全額公費負担でワクチン接種ができるようになっているそうです。これに対して日本では、ワクチンを接種している高齢者はわずか三%と言われているのが現状です。肺炎球菌ワクチンが効果的であることについて、知名度が著しく低い上、脾臓摘出者以外には保険が適用されないため、七千円から九千円程度、高いところでは一万円もすると言われる費用を全額自己負担しないといけないことも原因であろうと思います。また、肺炎球菌ワクチンに対する厚生労働省の態度ですが、同省の予防接種に関する検討会がことし三月に取りまとめた中間報告に、「海外では……有効性を示唆する研究が報告されており、国内でも知見が集積されつつある」としながらも、「予防接種法の位置付けについての検討は、わが国において有効性、安全性、費用対効果等の研究を進め、更に知見を収集することが前提となる。」とあるように、肺炎球菌ワクチンの予防接種に必ずしも積極的ではなく、こうしたこともワクチン接種が広がらない一因であると感じております。こうした中、全国の自治体で肺炎球菌ワクチンの接種費用を助成する動きが出始めています。現在、全国で三十ほどの市町村が助成制度を導入しており、ねらいの一つは、高齢者がふえていく中で、医療費の削減につなげようというものです。このうち、北海道の瀬棚町は、平成十三年度に全国で初めて助成制度を導入しました。同町は六十五歳以上の町民を対象に、三千八百円の自己負担金で肺炎球菌ワクチンの集団接種を実施するとともに、瀬棚町国民健康保険医科診療所で五千五百三十円の自己負担のみで個別接種にも応じるようにしました。初年度は二百九十九人、次年度は七十六人がワクチンを接種し、その後も二十五、六人の高齢者が新たにワクチンを接種、今では約八百人のお年寄りのうち六割が予防接種を受けているそうです。ワクチン接種とともに講話なども進めた結果、予防の意識が高まったこともあり、同事業を始めた翌年の平成十四年度は医療費が半額に減るという快挙を達成しています。そこでお尋ねします。
肺炎が原因で亡くなる方の数は年間、県内にどれくらいいるのか。
肺炎球菌ワクチンについての基本的な認識はどうか。
福岡県内の市町村で肺炎球菌ワクチンの接種に助成制度を持っている自治体はありますでしょうか。
抵抗力が弱っている高齢者を肺炎から守るため、ワクチン接種を受けるよう呼びかける考えはありませんでしょうか。
医療費の抑制の意味も含めて、市町村に助成制度を導入するよう働きかける考えはありませんでしょうか。
以上、五点にわたり知事の御所見を伺います。
次に、空き家、空き店舗、廃屋などの安全管理について質問します。
ことし四月二十一日、岐阜県中津川市の元パチンコ店の空き店舗内で、同市内の中学二年生の女子生徒が殺害されていたのが発見され、高校一年生が犯人として逮捕されました。現場となった空き店舗は五年ほど前から使われておらず、施錠もされていないという状況で多くの若者のたまり場になっていたということです。しかし、学校は危険な場所との認識はしておらず、したがって生徒への指導や補導パトロールなどの対象にもなっていなかったと思われます。こうした無人の建物は周囲からの死角となり、犯罪が起こりやすい空間にもなります。子供の安全を守る立場から、また犯罪や火災などを未然に防ぐためにも、空き店舗や無人家屋などの総点検が必要ではないかと考えます。核家族化、高齢化、人の移動などで空き家は全国的にふえる傾向にあります。それにつれ、大きな事件には至らなくても、空き家、空き店舗、廃屋などをめぐるトラブルが多数起こっています。空き家の中には、長年放置され、草が生い茂り、崩壊寸前の家もあり、周辺住民から防犯、防災上の問題から早急な対策を求める声が上がっている例もあります。廃屋の問題として、放火などによる火災や自然倒壊の危険、台風、強風による木片や瓦の飛散によるけがなどの災害、非行少年のたまり場などになりやすい防犯上の問題、野良猫のねぐらになるなどの衛生上の問題、周辺地域への悪臭や景観上の問題などが挙げられます。冒頭の例のほかにも、ことし四月十九日午後、函館市若松町周辺四カ所で住宅や空き家など十棟十二戸が連続して焼ける火災が発生しました。同市若松町では、この二日前にも空き家で火災が起きており、同市消防本部は、不審火の可能性があると見ています。福岡県内でも、平成十五年七月、北九州市内の空き家が全焼しホームレス男性三人が死傷した事件がありました。現住建造物等放火の疑いで福岡県警に逮捕された住所不定無職の男は、別のホームレス男性に恨みを持って放火したということです。
そこでまず、防災上の安全を守るべき行政庁としての知事部局と、子供の安全を守るべき教育庁、そして防犯上の責任を持つ県警察本部は、それぞれこの空き家、空き店舗などの問題について、基本的にどのような認識を持たれているのか。そして、県内の空き家、空き店舗、廃屋などの現状をどの程度把握しておられるのかお聞きします。
個人の財産である以上、廃屋の処理等については所有者の自己責任による対応が原則であろうと考えます。しかし、建築基準法第十条には、「損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがある」建築物等に対しては特定行政庁が所有者、管理者または占有者に、この「建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを勧告することができる。」とし、十条二項では、所有者などが勧告に従った措置をとらなかった場合で、特に必要があると認めるときは、「その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。」と規定しております。さらに同三項では、「著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合」は、建築物またはその敷地の所有者などに対して、「建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを命ずることができる。」としています。そこで、建築都市部長にお尋ねします。
ここにいう「特定行政庁」とは、何を指すのか。また、勧告や命令は、具体的にどんな場合にできるのかについてお示しください。
また、消防法第九条に基づく市町村火災予防条例の例には、第二十四条に空き地、空き家の管理を規定し、その二項には「空き家の所有者又は管理者は、当該空き家への侵入の防止、周囲の燃焼のおそれのある物件の除去その他火災予防上必要な措置を講じなければならない。」としておりますが、これらの措置とは具体的にどのような行為を指すのか、また必要な措置を講じない場合、行政としてどのようなことができるのか、総務部長にお伺いします。
現在、地域では住民の防災、防犯意識の高まりなどから、町内会、PTAなどが積極的に地域の見回りなどをしているケースがふえています。学校安全マップには、廃屋や空きビルを書き込んでいる地域もあるように聞いております。犯罪、災害を予防し、子供の安全を高めるために、行政、教育庁、警察本部が一体となってこうした地域活動を後押しし、まずは空き家、空き店舗、廃屋などの点検を改めて実施すべきではないかと思いますが、知事、教育長、県警本部長の御所見を伺います。
以上で一般質問を終了いたします。ありがとうございました。
まず、肺炎によります死亡者の数でございますけれども、平成十五年度を見ますと、四千七十三人でございます。これは、県内での死亡要因の第四番目になっております。
肺炎球菌ワクチンについてであります。これは、海外では御指摘のように、接種を奨励している国もございますけれども、日本の場合にはこのワクチンの有効性、安全性についてのまだデータが少なくて、これをすべきかどうかという結論が得られていない段階でございます。このようなことでございますから、現在このワクチン接種について独自に助成を行っている自治体は、県内にはございません。
ワクチン接種の啓発助成制度の導入についてでありますが、今申し上げましたように、肺炎球菌ワクチン、これは我が国の方では有効性あるいは安全性についてのデータが少ない、行うべきかどうかという結論が出ていない段階でございますから、啓発とかあるいは市町村に対する助成の奨励、これを行っていない状況でございます。県といたしましては、やはりこの有効性とか安全性についての医学的な結論が出た上でこれをどうすべきかということについて、対応方針を決めていきたいと考えております。
空き家、空き店舗といったものの防災上の認識の問題についてであります。御指摘がございましたように、空き家とか空き店舗、これが火災とかあるいは犯罪の温床になっておるということ、これは防災とか防犯上さまざまな問題の出発点になっておるわけであります。ただ一方で、空き家、空き店舗といいますのは、それぞれの個人の財産でございます。その安全につきましては、所有者あるいは管理者の責任において対処すべきであるというのが基本的な考え方でございます。したがいまして、警察あるいは市町村の関係機関が協力をいたしまして所有者あるいは管理者を指導する、そしてまずそれぞれの持ち主として自覚を持ち、責任を果たしていくということが重要であるというふうに考えております。
空き家といったものの点検についてでございますが、これは防災、防犯上の危険箇所に対します地域のパトロール活動を行っておりますが、このような活動を引き続き支援をしてまいる考えでございます。また、市町村や学校、警察がそれぞれ把握をしております空き家などに関する情報を共有をするということが大切でございます。その上で、地域におきます適切な監視体制の整備、これが図られ、実行されるということをそれぞれ働きかけをしてまいりたいと考えております。
市町村の火災予防条例の例におきます措置についてお答えいたします。空き家における措置とは、むやみに人が出入りできないような施錠をすること、容易に着火できる可燃物や石油類などの危険物を除去すること、ガスや電気の確実な遮断を講じることなどであります。また、所有者や管理者が必要な措置を講じない場合には、火災発生の危険性の程度に応じまして消防本部より指導、警告、命令などを行うことになります。
建築基準法の特定行政庁についてでございます。建築基準法第二条において、「建築主事を置く市町村区域については当該市町村の長」、「その他の市町村の区域については都道府県知事」と規定され、建築の検査、許可、認定等の業務を行う機関として位置づけられております。本県においては、福岡県知事、北九州市長、福岡市長、大牟田市長、久留米市長が特定行政庁となっております。
次に、保安上危険な建築物等に対する勧告、命令についてでございます。建築物の適切な維持、保全は、本来所有者等がその義務を有することから、劣化等により住民に危害が及ぶおそれのある建築物は、自主的に修繕等の改善措置を行うよう、市町村等と連携し、指導をしているところです。従わない場合には、是正勧告や必要な措置を命令することができることとなっております。
廃屋等への基本的認識と安全点検についてでございます。廃屋等は、周囲から遮断をされ、非行の温床になるとともに、危険が予測をされ、学校におきましては従来から注意を払うべき場所の一つとして安全に配慮するよう指導をしてきたところでございます。特に、登下校中の事故、事件の発生を契機といたしまして、通学路の再点検や安全マップの作成などの徹底を図っておりまして、その中で廃屋を含めた危険箇所を把握をして、必要に応じて関係機関へ改善要請を行うよう学校に指導をいたしておるところでございます。今後とも、学校が地域の関係機関に働きかけをいたしまして安全パトロールや見守り活動等の取り組みを通じまして、危険箇所の点検、把握に努めてまいりたいと考えております。
空き家、廃屋などの安全管理の問題についてお答えいたします。県内の空き家、廃屋等の詳細につきましては承知をしておりませんが、一部については管理が行き届いていないものや放置されたものがあり、非行少年のたまり場となるなど防犯上の問題があると認識をしております。このため、県警察におきましては、各種警察活動や地域住民からの情報提供などを通じて把握したこれら空き家などについて、管理者に対する施錠措置等の指導要請、パトロール活動を通じての立入警戒、防犯ボランティアと協働した点検活動、通学路の安全点検や安全マップの作成等を通じての注意喚起を行うなど、諸対策を講じているところであります。県警察といたしましては、今後とも地域住民や関係機関、団体と防犯上問題のある空き家等の情報交換を行うなど相互に連携して犯罪の未然防止を図ってまいりたいと考えております。
御答弁ありがとうございました。
肺炎球菌ワクチンですけれども、季節外れのこの時期に何でこんな質問をしたかといいますと、実は私の高校時代の先輩に、こんなことを言われました。新聞記事を見て、こういうワクチンの存在を知った、そこで保健所あるいは医者にこのワクチンについて教えてもらおうと思って問い合わせたところ、ワクチンの存在そのものを知らなかったと、保健所が、というようなことを言われまして、こういう問題を何とかできないのかというようなことで御相談をいただきまして質問をさせていただきました。今、新聞にも出ておりましたし、テレビでこのワクチン注射というものが存在するということを取り上げている番組もあります。情報を知っている人もいらっしゃいます。そこで、今申し上げましたように、いざ保健所なんかに行って、窓口に行くとその窓口の人間が知らないというようなことがありましたら、行政の不信感にもつながりかねない問題だと思いますので、国がなかなか研究が進まないという事情はよくわかるんですけれども、少なくともこういうワクチンという存在があるんだということは、窓口できちんと知っておかなくてはいけないのかなというふうに思っております。
そこで、県とか市町村のそういった窓口の人間が情報としてこのワクチンの存在を知っている、そういうために周知徹底が必要なんではないかと思います。この点につきまして、知事がどのように考えていらっしゃるのかお聞かせ願いたいと思います。
それと、廃屋の問題ですけれども、現実にはいろんなことでこの廃屋の問題を県や市町村に──市町村がほとんどでしょうけれども、相談に行った場合、行政としては個人の財産であるから何ともできないんですよ、というふうに追い返されるとは言いませんけれども、何ともできないんだというふうに説明されることがほとんどであろうと思います。ただ、今御答弁聞いておりますと、建築基準法ですとかいうものを使ってですね、少なくとも勧告や命令は県や消防本部の方からやることができるんだなというふうに改めて認識をさせていただきました。
そこで、群馬県の渋川市というところで、平成十五年の十月に、安全で安心なまちづくりの推進に関する条例というのをつくっております。この条例を見ましたら、条例の第四章に、「空き家等からの出火防止」という規定をしております。第十五条から第十九条までに、「空き家等の所有者等の責務」、空き家「情報の提供」、「実態調査」、「所有者への勧告」、「関係機関への協力要請」という形で規定しております。また、この条例に基づきます安全で安心なまちづくりを推進するための計画、渋川安心プランというものには、「空き家空き地対策」というのをきちんと決めておりまして、空き家火災防止に係る処理マニュアルというものも作成しています。また、消防署の通常のパトロールのほかに安全安心パトロールの一環として、防火パトロールというものを実施しているそうです。
そこで、福岡県でも安全、安心まちづくり条例、これを視野に入れた検討を現在始めていると聞いておりますけれども、条例を制定することになった場合、こういった空き家や廃屋への対応も含めて定めていったらどうかと思いますが、これも知事の御所見をお伺いしたいと思います。
以上、二点にわたり再質問させていただき、私の一般質問を終了いたします。御清聴大変ありがとうございました。
肺炎球菌ワクチンについてでありますけれども、これは先ほど申しましたように、まだ我が国においては実用化されていないという現状にあります。したがって、多くの県とか市町村の職員がこれについて知識を持っていないというような、これはそのような段階にあるということの一つの実態的な反映であろうと思っております。接種を希望される方がもしあるという場合に、職員が全然こういうことについて知らないというのは、確かに問題があろうかと思いますものですから、どの程度の知識を持たなきゃいかぬかということは非常に難しい問題でありますけれども、何らかの知識を持つという方向で努力をしていきたいと思います。
それから、廃屋の問題につきまして、条例というお話がございました。これは現在、県内の全市町村で火災予防条例が制定されているわけでございますけれども、その中で空き家などの防火対策について定められ、先ほどございましたように所有者あるいは管理者の適切な管理義務というのが定められております。したがいまして、本県で検討いたします安全、安心まちづくりの中に、さらにこのような現行の市町村の条例に加えて新たな規定が必要かどうかということについては、あわせて検討をしてまいりたいと考えております。